メロンの種類と主な品種について
メロンの種類分け、その3通りの方法。
ひと言でメロンといっても、メロンにはいくつかの種類(カテゴリー)があります。そして、種類分けする際の指標は大きく3つあります。
それは ①果肉の色 ②果皮の網目の有無 ③栽培方法の違いの3つです。それぞれの分け方に基づきながら、メロンの種類について簡単にご説明しましょう。
果肉の色による種類分け。
果肉の色による分類法では、青肉系/赤肉系/白肉系の3種類のメロンに分けられます。青肉系には、アールスメロン(マスクメロンのことを指す品種名です)やアンデスメロン、アムスメロンなどの品種があります。
この『メロン専門通販』でお届けしている静岡県のクラウンメロンや、高知県の一果相伝は、アールスメロン品種のブランド商品で青肉系です。
赤肉系に入るのは、クインシーメロンやルピアレッドや夕張メロンなどの品種。『メロン専門通販』でお届けしている山形県の夕映えメロンは、ルピアレッド品種のブランド商品ですから赤肉系です。
白肉系では国産だとホームランメロンが有名で、メキシコやアメリカから輸入されるハニーデューメロンなども白肉系です。しかし、日本で一般的に広く知られているのは、やはり青肉系と赤肉系でしょう。
ちなみに、赤肉系がいちばん甘いのではとよく言われますが、糖度を測ると一概にそうとも言い切れません。やはり品種次第なところもありますし、食べ頃のタイミングで食べたかどうかによっても、味わいの印象が変わってくるものなのだと思います。
果皮の網目による種類分け。
次に、果皮の網目を指標にした分類では、網目がある/ないで2つに分かれます。網目のあるメロンをネット系メロン、網目がないメロンをノーネット系メロンと言います。
ネット系メロンの代表格といえば、やはりアールスメロン(マスクメロン)です。網目の状態のクオリティーは商品価値を左右する大きな評価ポイントにもなっています。優れた網目の個体のほうが美味しいとも言われますし、美しく見事な網目のものはそれ自体が芸術作品のように評されるのです。
一方、ノーネット系の代表には、プリンスメロンやホームランメロン、ハニーデューメロンやキンショーメロンなどの品種が挙げられるでしょう。
ネット系に比べるとお手頃価格で買えることもあり、たくさんの支持を集めています。また、ハニーデューメロンもキンショーメロンもそうですが、輸入メロンはほとんどがノーネット系です。
栽培方法による種類分け。
最後に栽培方法の違いによる分類では、ガラス温室栽培/ビニールハウス栽培/トンネル栽培などの方法ごとに分けられます。そしてそれぞれの栽培方法によって、温室メロン/ハウスメロン/露地メロンといったカテゴリーに分けられます。
国内の多くの品種はハウス栽培か露地栽培ですが、静岡県のクラウンメロンは独自のガラス温室栽培で育てられています。
各栽培方法の内容に関しては、②メロン栽培の流れ 〜栽培のお話〜にてご紹介していますので、併せてお読みいただければと思います。
はじめに。
メロンという名称は、ギリシャ語の「melopepon=リンゴのようなウリ」から来ているという説があります。でも、ウリ(瓜)というのは野菜ですから、この語源は分かるようであまりピンとはこないような、そんな感じもしませんか?
ところが実際、メロンは植物学的にはウリ科のキュウリ属に分類され、農林水産省でも「果実的野菜」に分類しているんです。なんだかちょっと驚きですね。「フルーツの王様」とも言われているのに。
それはさておき。
ちょっと不思議な気もするこの“果実的野菜”には、たくさんの品種が存在します。その全てをご紹介することは、とてもとてもできません。
ここでは代表的なものを10種だけ厳選し、それぞれについて簡略に説明させていただくことをご了承ください。だけどこれだけ知っていれば、まず大丈夫。メロン通への道がひらかれます!
メロンの品種紹介①
アールスメロン
アールスメロンは、私たちが「マスクメロン」と呼んでいる高級メロンの品種名。マスクメロンという名は品種名ではないのですね。ちなみに「マスク」とは「musk(ムスク)=じゃ香」に由来し、よい香りがするという意味です。
大正時代にイギリスから輸入されたアールスフェボリット種が、日本におけるアールスメロンの始まりでした。その後、たくさんの改良を経て、世界に誇る日本のアールスメロンの地位が確立されていきます。
青肉系で、ネット系。糖度は14~15度で安定。1本の木に1個のメロンしか収穫しないため、全栄養がひと玉に凝縮されて甘味も瑞々しさも格別です。
※Fruit Farmersの『メロン専門通販』でお届けしているクラウンメロンと一果相伝は、アールスメロン品種のブランド商品です。
メロンの品種紹介②
アンデスメロン
アンデスメロンは、昭和52年(1977年)に登場した人気の青肉系&ネット系。高価なネット系メロンが多い中、比較的安価だったこともあってデビュー早々ブレイクしました。
リーズナブルなのに、マスクメロンに似た上質な果肉。ジューシーでとろけるような味わい。糖度も14~15度と安定して高いです。売れるべくして売れ続けている大衆メロンといえるでしょう。
面白いのが「アンデス」という名の由来。南米のアンデス山脈とは全く関係ありません。当初「安心ですメロン」というネーミングで売り出す予定だったのが、メロンは芯をとって食べることから「しん」を取り、「あんですメロン」になったというのですからなんともユニークな話です。
メロンの品種紹介③
アムスメロン
アムスメロンも青肉系&ネット系。昭和49年(1974年)に発表されました。目をひく特徴はどのメロンにも似ていない独特の果皮。濃いグリーンの上にタテ縞模様が入っています。
香りが際立ち、多汁で、糖度16度以上の甘さのものも。果皮が薄くてそのぶん果肉が厚く、可食部が多いのも特徴です。コスパも日持ちもよいので人気の高い品種になっています。
国産の開発品種ながら、「アムス」の由来はアムステルダム。親の品種にオランダ系が入っているため、そのように名づけられたということです。
メロンの品種紹介④
肥後グリーン
肥後グリーンの「肥後」とはもちろん熊本のこと。開発したのは奈良県の農園でしたが、品種が確立された昭和61年(1986年)にすぐに熊本に紹介され、名産品種になりました。
現在では、各地で生産されています。大玉で、多汁で、糖度は16~17度と高く、それなのにあっさりとしている食味が魅力。当初から食味の優れた果肉を目標に育成された品種だということです。
爽やかで独自なグリーンのイメージから命名されたという、個性的な青肉系&ネット系。根強い人気を博しています。
メロンの品種紹介⑤
夕張メロン
夕張メロンは、北海道夕張市の特産として知られる赤肉系&ネット系。ただし正しい品種名は「夕張キング」で、夕張メロンはブランド名です。昭和36年(1961年)に命名されました。
大玉なのが特徴で、マスクメロンと同じくきれいな網目が果皮をおおっています。果汁が豊かで、甘味に優れたメロンです。
完熟するととろけるような食感になると、多くの人が讃えます。6段階の等級があって、等級ごとに糖度保証が異なっていますが、いずれもバランスのよい一級品のメロンです。
メロンの品種紹介⑥
クインシーメロン
クインシーメロンも、赤肉系&ネット系。平成元年(1989年)に発表された品種で、5〜7月がシーズンになります。
果肉は厚めで緻密。糖度は15~16度と高く、甘さの個性がアールスメロンやアンデスメロンなどとは微妙に違うところにも惹かれます。とてもジューシーで、独特の風味も感じられます。
比較的手頃な価格であるところも、たくさんのファンから支持を集めている理由の一つ。日持ちのよさも手伝って、長年にわたってQueenであり続けている赤肉系です。ちなみにクインシーの「クイン」は Queen、「シー」はHealthyの「thy」に因んでいるそうです。
メロンの品種紹介⑦
ルピアレッド
ルピアレッドは、平成2年(1990年)にデビューした赤肉系&ネット系。クインシーメロンが登場した翌年のことでした。細やかで美しい、やや深めの網目でおおわれた果皮が印象的です。
みずみずしい肉感と、強い甘味が絶妙にマッチ。糖度は15度ほど。同じ赤肉系&ネット系であるクインシーメロンと同世代の、いわば良きライバルとでも言いたくなる一級品のメロンです。
ルピアレッドの主産地は、北海道や茨城県、そして山形県など。7~8月頃に出荷されます。
※Fruit Farmersの『メロン専門通販』でお届けしている夕映えメロンは、ルピアレッド品種のブランド商品です。
メロンの品種紹介⑧
プリンスメロン
昭和37年(1962年)にキラ星のごとく登場し、一世を風靡した大衆メロン。それがこの青肉系でノーネット系のメロン、プリンスメロンです。
まだまだ高価で日本の人々には憧れの対象だったメロンを、身近なものに変えたのがこのメロン。東洋系メロンであるマクワウリに西洋系品種を交配して開発されました。品種の多様化に伴い店頭から姿を消しつつありますが、その根強い人気は今も変わりません。
糖度は15~16度で安定して高く、食味がよく、日持ちもよし。特有の香りが秀逸です。「プリンス」という名は、当時の皇太子さま(現・上皇さま)のご成婚に因んで名づけられたと言われています。
メロンの品種紹介⑨
ホームランメロン
馴染みがないという方も多いかもしれない、白肉系。その国産タイプで、ノーネット系のメロンが、このホームランメロンです。昭和52年(1977年)に命名され、発表されました。
「ホームラン」という名前は、野球の偉大なホームランバッター、王貞治さんにあやかったというエピソードがあります。昭和52年(1977年)というのは王さんが通算ホームラン数の世界記録を樹立した年なんですね。昭和っぽくて心温まる気がするネーミングです。
果肉と同じく果皮が乳白色なのも特徴的ですが、糖度の高さも注目です。16度前後と、とても甘く、果皮の近くまで食べられます。果肉は厚いのに適度に柔らかく、クリームのような味わいです。まさしく、美味しさもホームラン級。
メロンの品種紹介⑩
ハニーデューメロン
ハニーデューメロンは、メキシコやアメリカから輸入されている外国産の白肉系&ノーネット系です。海外から来るメロンの多くをこのメロンが占めていて、輸入メロンの代表格となっています。
果皮の色は乳白色。果肉の色は黄緑色と薄いオレンジ色の2種類あります。果肉が厚くて食べ応え充分。糖度は12〜16度くらいで甘味が強いのですが、そのわりにはさっぱりした風味で滑らかな食感です。
「ハニーデュー」は「Honey dew」で、「蜂蜜のしずく」の意味。蜂蜜がしたたるような滑らかな甘さというイメージだと思います。その名のとおり、滑らかな食べ味が魅力的です。